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どこが違う?Chrome OSとWindowsの違いを徹底検証

Chromebook向けのChrome OSとWindowsの違いを、基本的な違いから、アップデート・アプリ・セキュリティ・ドライバの違いまで、それぞれのメリット・デメリットを徹底検証しました。

Chrome OSとWindowsの基本的な違い

まずは、Chrome OSとWindowsの基本的な違いを比較してみましょう。

- Chrome OS Windows
開発元 Google Microsoft
価格 - ¥19,000〜
対応機種 Googleが認証した端末 全てのPC
OSアップデート期間 端末の発売から5〜8年 最大で10年ほど
Linux環境 crostini Linux
(対応端末のみ)
WSL 1.0/2.0
(基本的に全端末)
アプリストア Chromeウェブストア
Google Playストア
Microsoftストア

大きく違うのは、対応機種とアプリストアで、Chrome OSはGoogleが認証したデバイスのみインストール可能な一方、Windowsの場合はOSの対応スペックを満たしている全てのPCにインストールが可能です。

また、アプリストアは、Chrome OSがGoogle系のChromeウェブストア、Google Playストアで、WindowsはMicrosoftのMicrosoftストアととなります。

アップデート・アプリ・セキュリティ・ドライバの違い

続いて、実際に使うにあたって重要になってくる、アップデート、アプリ、セキュリティ、拡張性の違いをみてみましょう。

アップデートの違い

OSのアップデートサイクルはChrome OSとWindowsで大きく異なります。

- Chrome OS Windows
OS フルアップデート 6週間 半年/1年
セキュリティアップデート 随時 基本1ヶ月

Chrome OSは、6週間ごとにOSのフルアップデートがリリースされます。OSのフルアップデートは新しい機能やバグ修正を含むもので、見た目や機能が大きく変化することが多いアップデートです。

Windowsは基本的には毎年4〜5月頃に年次アップデートでOSのフルアップデートをします。

ここは、「アップデート期間が短いからChrome OSのが優れている」という訳でなく、Chrome OSの方が細かいアップデートを順次リリースするのに対して、Windowsは大型アップデートで大きく変更するという「方法の違い」です。

一方、セキュリティアップデートは、OSに問題がある部分を修正するアップデートで、ここはChrome OSの方に分があります。

Chrome OSは何か問題があればすぐにアップデートが入りますが、Windowsは対応するデバイス数が多いため、緊急のものを除けば、毎月第2火曜日の月次アップデートが基本です。

その意味で、「Chromebookは常にセキュア」と言えます。

アプリの違い

アプリの違いもChrome OSとWindowsの大きな違いの一つです。

- Chrome OS Windows
Windowsアプリ x
Linux CLIアプリ
(Linux crostini)

WSL
Linux GUIアプリ
(Linux crostini)
x
Androidアプリ x
Chromeアプリ/拡張機能
要Chromeブラウザ

Chrome OSがWindowsアプリ以外に対応している(Androidアプリ・Linuxアプリは対応機種のみ)のに対して、WindowsはAndroidアプリとLinux GUIアプリ以外に対応しています。

つまり、

  • Windowsアプリが必要か
  • Androidアプリが必要か

という点で、どちらを選ぶかを決めると良いでしょう。

Windowsからの移行であれば「使っていたWindowsアプリが、AndroidアプリやLinuxアプリで代替できるか?」が、移行を決める一番大きなポイントになるでしょう。

セキュリティの違い

PCを使う上でセキュリティは大事です。Chrome OSとWindowsのセキュリティ違いを見てみましょう。

- Chrome OS Windows
ウィルス対策ソフト x Windows Defender
ファイアウォール x OS標準搭載
サードパーティアプリ x
VPN

Windowsを使っているとセキュリティソフトをインストールすることが多いですが、Chrome OSにはセキュリティ対策ソフトが搭載されていない・インストールできません。

しかし、Chrome OSはそもそも、

  • OSに影響があるアプリがインストールできない
  • ドライバがインストールできない
  • OSに関係する部分をユーザーは変更できない

という縛りがあるため、セキュリティソフトを入れなくてもセキュアであるのが特徴です。

ですので、セキュリティ機能に違いはありますが、Chrome OSがWindowsよりもセキュリティで劣っているということはありません。

ドライバの違い

Windows PCに、新しいパーツなどを追加したり接続する際はドライバのインストールが必要です。このドライバについても、Chrome OSとWindowsで異なります。

- Chrome OS Windows
OS標準ドライバ
サードパーティドライバ x

Chrome OSは基本的には全てOS標準ドライバを使用します。マウスやキーボード、外付けHDDなどはOS標準ドライバで問題なく動作します。この点はWindows同様です。

一方、Windowsの場合はサードパーティドライバのインストールが可能なので、より自由にPCを拡張することが可能です。

特に、特殊な機器を使う場合は、Chrome OSでは利用できない場合があるので、購入前にしっかりとチェックしましょう。

対応クラウドの違い

Chrome OSもWindowsもOSレベルでクラウドに対応しています。

- Chrome OS Windows
OS標準 Google Drive OneDrive
サードパーティクラウド
ブラウザからのアクセス

Chrome OSはGoogle製なのでGoogle Driveに、WindowsはMicrosoft製なのでOneDriveにOSレベルで統合しています。

しかし、サードパーティクラウドについては、どんなクラウドでもアプリベースで接続できるWindowsに対して、Chrome OSはOSベースで接続できるクラウドに制限があります。ただし、Chrome OSはAndroidアプリが利用できるので、Androidアプリでクラウドサービスを利用できる場合があります。

Androidのクラウドアプリは、Windowsなどのデスクトップ向けアプリと違って、「クラウド上のデータを確認して、アップロード・ダウンロードするだけのもの」があるので、注意が必要です。

どちらもブラウザからのアクセスは可能なので、最悪ブラウザで管理すれば良いという意味では、あまり気にしないでも良い点かもしれません。


Chromebook向けのChrome OSとWindowsの違いをみてきました。

こうしてみると、OSに対するコンセプトは大きく違うものの、アプリやドライバを除けば実はそこまで違いがないということもわかります。

Chromebookを選ぶかどうかは、ある意味「Chrome OSを選ぶかどうか」ということなので、移行を検討している方は、しっかりと違いをチェックするようにしましょう。

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