ChromebookとMacBookの基本的な違い
最近は、オフィス用PCの代替としてだけでなく、開発マシンとしても比較されるようになってきた、 ChromebookとMacBook。両者の基本的な違いを見てみましょう。
項目 | Chromebook | MacBook (Pro、Air) | |
---|---|---|---|
メーカー | PCメーカー | Apple | |
OS | Chrome OS | macOS | |
アプリ | Chromeアプリ Androidアプリ Linuxアプリ |
macOSアプリ iOSアプリ(Big Surから) |
|
ブラウザ | Chrome | Safariなど | |
アップデート対象期間 | おおよそ5,6年 | おおよそ8,9年 | |
タッチパネルサポート | ○ | 非対応 | |
ペン対応 | ○ 一部モデル |
非対応 | |
dGPU | 非対応 | ○ 一部モデル |
メーカーとOSが違うのは当たり前として、ノートPCとして見た時に違うのはアプリとタッチパネルの対応でしょう。
アプリについては、ChromebookがChromeアプリ、Androidアプリ、Linuxアプリに対応するのに対して、MacBookはmacOSアプリのみでした。
ただ、macOSは15年以上の時間をかけてmacOS(旧Mac OS Xも含め)アプリコミュニティを育ててきていて、macOSには魅力的なアプリがたくさんあります。
さらに、2020年後半にリリースされる、新しいmacOS 11.0 Big SurからはiOSアプリの対応が発表されているため、アプリのクオリティと数についてはMacBookが圧倒的です。ここはChromebookは叶いません。
一方で、Chromebookは、最新モデルの上位版は基本的にタッチ対応となっていますが、iPadも製造するAppleは、未だにMacBookにタッチパネルを搭載していません。
ChromebookとMacBookをできること・できないことで比較
続いて、ChromebookとMacBookをできること・できないことで比較してみます。
項目 | Chromebook | MacBook | |
---|---|---|---|
ネットブラウジング | ○ | ○ | |
メール | ○ | ○ | |
ゲーム | △ | ○ | |
ファイル操作 | ○ | ○ | |
音声検索 | ○ | ○ | |
SNS | ○ | ○ | |
Officeファイルの編集 | ○ | ○ | |
プリンター印刷 | ○ | ○ | |
ペン入力 | △ | △ ペンタブで対応可能 |
|
写真・動画撮影 | △ | ○ | |
写真・動画の編集・作成 | △ | ○ | |
仮想マシンの稼働 | x | ○ | |
dGPUを使ったゲーム | x | ○ |
基本的に、両者ともにPCとしての機能に大きな差はありません。
しかし、プロユースにも選ばれてきたMacBookシリーズは、写真・動画の編集・作成、仮想マシンの稼働、dGPUを使ったゲームのプレイなど、ハイエンドな使い方まで出来るという点で、Chromebookよりも使い道が広くなります。
特に、MacBook Pro、MacBook Airシリーズは、最新モデルでThunderbolt3という外部GPUを拡張できるポートを搭載しており、追加費用でグレードアップして長く使えるマシンになっています。
ChromebookとMacBook、どちらかにするかを決める5つのポイント
専門的なアプリ・デバイスを要する作業をするか?
まず一番大きなポイントとして、作業する内容が専門的なアプリ・デバイスを要する作業をするかどうかです。
「専門的なアプリやデバイスへの対応」という点では、圧倒的にMacBookの方が上です。そうした作業をするのであれば、「汎用的なノートPCである」Chromebookは比較対象にはなりません。
欲しい本体サイズ・重量のものがあるか?
ChromebookとMacBookの比較というと、どうしてもOSやアプリの比較が多くなってしまいますが、実はこの本体サイズ(液晶サイズ)というのは両者の大きな違いです。
本体サイズ(液晶サイズ) | Chromebook | MacBook |
---|---|---|
8インチ | x | x |
10インチ | ◎ | x |
11インチ | ◎ | x |
13インチ | ◎ | MacBook Air, MacBook Pro |
14インチ | ◎ | x |
15インチ | ◎ | x |
16インチ | x | MacBook Pro |
こうして比較してみると一目瞭然ですが、サイズのラインアップはChromebookの方が圧倒的多くなっています。
MacBookは、現行では13.3インチ、16インチの2サイズしかないため、モバイルとして持ち運びやすい11インチクラスや、モバイルにもデスク用途にもほどよい14インチクラスは選択肢にありません。
予算はどれくらいか?
ChromebookがMacBookの代替として選ばれるのは、やはり価格でしょう。エントリークラスでも14万円するMacBookに比べて、同等スペックのノートPCが8万円くらいで手に入るChromebookは、MacBookと比較すると価格が安いと言えます。
ただ、ChromebookでもMacBookクラスの性能とクオリティのものは、やはり10万円以上するので、予算があるのであれば、用途が広いMacBookの方が使い道が広いでしょう。
その辺りは予算との相談となるでしょう。
どれくらい長く使いたいのか?
ChromebookもMacBookも、OSのサポートは5年以上あり「長くサポートされる」という点では同じです。しかし、4、5万円のChromebookが、5年後でも快適に使えるのかというと話は別です。
一方で、MacBookの場合、本体価格は高いですが、基本的なスペックがChromebookよりも高いものが多いため、5年、6年後でも快適に使えることが多くなります。
感覚としては、「4、5万円のChromebookを2、3年で買い換えて使う」か、「15〜20万円のMacBookを5〜8年くらい使う」か、といった感じでしょうか。それでもChromebookのがトータルコストは安くなるかもしれませんが、どちらがお得かは人それぞれでしょう。
タッチ操作は必要か?
Chromebookにあって、MacBookにない機能のとして、タッチ操作があります。
特にChromebookはメインストリームが2 in 1 方式なので、「ノートPCとしてもタブレットライクにも使える」というのが魅力なのであれば、Chromebookは満足できる一台となるでしょう。
ただし、「ChromebookとiPadの違いは?できること・できないこと、選ぶ際のポイント」でも書いた通り、Chromebookのタッチ機能はあくまでおまけです。iPadほどの使い勝手はないので、「MacBook + iPad = 2 in 1 Chromebook」と思っていると、期待を裏切られてしまうかもしれません。
ChromebookとMacBookの違いを、できること・できないこと、選ぶ際のポイントで見てきました。
基本的にはChromebookもMacBookもノートPCであり、ブラウジングやメール、ファイル操作など、PCで行う基本的なことはどちらでもできます。
しかし、対応アプリの違いや、ペンや外部GPUなどの専門的なデバイスの対応、そして液晶サイズのラインアップの違いなど、詳しく見てみると違うところが多くあります。
ChromebookとMacBookを比較・検討する際は、今回挙げたポイントに注意して、選んでみてください。