Chrome OSのLinux環境・crostiniとは何か？

crostiniはTermina VMで稼働するコンテナ環境&サポート機能の総称

仮想マシンを使ったことがある方なら、crostini自体が仮想マシンと思うかもしれませんが、実際にはChrome OS上で稼働する「Termina VM」呼ばれる仮想マシンの中のコンテナ環境とそれらをChrome OSで簡単に利用できるサポート機能の総称です。

Termina VMでは、Linux containersで稼働しているため「lxc」コマンドでコンテナの追加や起動、コンテナイメージのエクスポートなど様々なことが出来ます。非公式ですが、Ubuntuコンテナの追加も可能です。

lxc | Linux containers

これを仮装マシンなどの知識がない人でも、Chrome OSの設定画面から簡単に「コンテナ環境の作成・起動・Chrome OSとの連携」などを出来るようにしたのがcrostiniです。

Chrome OSのLinux環境・crostiniが立ち上がるまで

Chromebookにログインした段階で、Linuxアプリが起動していなければTermina VMは起動しません。

Linuxアプリを立ち上げた段階で、

1. Termina VMの起動
2. Crosiniコンテナの起動
3. Linuxアプリの起動

という順番でアプリを起動します。一度Linuxアプリが起動してしまえば、1〜2のフローが飛ばされるため、新しいLinuxアプリを起動する際は高速にアプリが起動します。

Linux環境・crostiniとChrome OSの統合

Chrome OSのLinux環境・crostiniはコンテナ環境なのですが、通常のコンテナと違うのが、

• Chrome OSとOSレベルで統合
• Chrome OSからGUIで操作
• Chrome OSからコンテナ内のアプリを操作

出来る様にしている点です。

実は仮想マシンの代替としても使える

Linux環境・crostini自体の話ではないのですが、crostinicrostiniコンテナを実行している仮装環境Termina VM自体は、Linux containersで稼働しているため、複数のコンテナやcrostiniとは違うOSのコンテナを実行することが可能です。

つまり、WindowsやmacOSでVirtualboxなどの仮想マシンを使う感覚で、複数の仮想マシンが欲しいという場合は、lxcコマンドからコンテナを追加すれば、複数の仮想マシンを実行するのと近い環境を作ることができます。

ただし、通常用途であれば、素直にcrostiniを使うのがベストです。

Chrome OSのLinux環境・crostiniについて見てきました。

実際に動いている仕組みは複雑ですが、これをGUIで簡単に操作できるようにしているのがLinux環境・crostiniのすごいところですね。まだベータ版なので、このまま進化してどんどん使いやすくなってくれると、プログラミング環境として成熟していきそうです。