Chromebookでローカルサーバーを立てる方法
Chromebookでローカルサーバーを立てる方法は3種類あります。
- Chrome拡張機能を使う
- Androidアプリを使う
- Linux環境にインストールする
それぞれ、導入方法や使える機能が異なります。
項目 | Chrome拡張 | Androidアプリ | Linux環境 |
---|---|---|---|
手軽さ | ◎ | ○ | △ |
専門知識 | 不要 | やや必要 | 必要 |
機能 | △ | ○ | ◎ |
料金 | 無料 | 一部有料 | 無料 |
ここからは、それぞれの導入方法やメリット・デメリットを詳しく見ていきます。
Chrome拡張でローカルサーバーを立てる
この方法が一番手軽で、専門知識もなくローカルサーバーを立てられます。拡張機能をインストールするだけなので、専門知識もほとんど必要なく無料で使うことができます。
ただ、Chrome拡張機能なので様々な制限があり、機能がかなり制限されるのがデメリットです。具体的にいうと、機能はHTTPサーバーのみで、PHPやRubyなどのサーバーサイド処理はできません。
ローカルサーバーを立てるChrome拡張機能としては、Web Server for Chromeが定番です。
- 価格
- ¥0
- 定価
- ¥0
- Chromeブラウザで簡単にローカルサーバーが建てられる
- 特別な設定がほとんどいらない手軽さが良い
- オフラインでも使える
開発元 | chromebeat.com |
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アプリタイプ | Chrome拡張機能 |
Androidアプリでローカルサーバーを立てる
Androidアプリには、Android端末をサーバーにしてしまうアプリが複数存在します。PHPやMySQLサーバーを立てるものもあるので、ローカルWordPressサーバーを立てたり、ローカルNASサーバーを立てることも可能です。
ただ、普段からLinux環境でサーバーを構築しているような方からすると、機能はやはり限定的です。例えば、Node.jsはnpmが使えないなど、アプリによっては制限があります。また、処理速度はあまり速くありません。
サーバー関連のAndroidアプリでは下記がオススメです。
- 価格
- ¥0
- 定価
- ¥0
- 有料だが高性能なサーバー
- アプリから簡単操作でサーバー設定ができる
開発元 | KSLABS |
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アプリタイプ | Androidアプリ |
Webサーバー | Apache、lighttpd、Nginx |
対応言語 | PHP |
データベース | MySQL、SQLite |
- 価格
- ¥0
- 定価
- ¥0
- 50以上の多種多様なサーバー機能を搭載
- 無料でも十分に使えるマルチサーバー
- SSHでサーバーを管理可能
開発元 | Ice Cold Apps |
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アプリタイプ | Androidアプリ |
Webサーバー | lighttpd、Nginx |
対応言語 | PHP、Nodejs |
データベース | MySQL、SQLite、MongoDB |
どちらも課金アプリですが、GUIで簡単にサーバーが立ち上げられるという意味では価格相応の価値があります。
PHP + MySQL環境が欲しいのであれば、ほぼワンクリックで構築できるKSWEBがオススメです。
Linux環境(crostini)でローカルサーバーを立てる
一部のChromebookには、LinuxベータというDebianベースの仮想環境(crostiniとも呼ばれる)を構築する機能が搭載されています。初期段階ではオフになっていますが、設定画面から簡単にオンにできます。
Linuxベータに対応しているChromebookは下記からチェックできます。
Chrome OS Systems Supporting Linux (Beta)
こちらは完全にLinuxなので、普段使っているサーバーと同じようにサーバーを立ち上げることができます。ApacheやNginxなどのWebサーバーを構築するのも良いですし、Dockerでサーバー関連コンテナを一気に構築することもできます。
- 価格
- ¥0
- 定価
- ¥0
- コンテナ仮想環境のオープンソースソフトウェア
- サーバーだけでなく、WindowsやmacOS、デスクトップ版Linuxにも対応している
開発元 | Docker, Inc |
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アプリタイプ | Windowsアプリ、macOSアプリ、Linuxアプリ |
また、PHPやOSSなどで提供されているlocalhostで起動する一時サーバーも利用できます。
かつてはChromebookとLinux環境のlocalhostが紐付いていなく、「penguin.termina.linux.test」というドメイン経由でしかアクセスできませんでしたが、2020年初頭のアップデートで、LinuxのlocalhostとChromebookのlocalhostが連動するようになったため、最新のChrome OSではlocahostでLinux環境に立てたサーバーにアクセスできます。
ChromebookのLinux環境は完全なLinuxですが、Linux環境内で仮想化ができないなど、制限自体は存在しますが、ローカルサーバーとして利用するだけならほとんど制限はないでしょう。
注意点としては、すべてのChromebookがLinuxに対応しているわけではないということと、メインメモリが2GBや4GBなどの低スペックChromebookだと、動作が重くなる点です。
Linuxローカルサーバー機能を使うのであれば、2018年以降に発売されたメモリが8GB以上搭載されているChromebookを選ぶと良いでしょう。
それぞれの方法のメリット・デメリット
最後にそれぞれのメリット・デメリットをまとめました。
項目 | メリット | デメリット |
---|---|---|
Chrome拡張 | 簡単・無料・手軽 専門知識がほぼ不要 |
機能が最低限しかない |
Androidアプリ | 簡単・手軽 WordPressのローカルサーバーも立てられる |
課金アプリ 機能に制限がある |
Linux環境 | 無料・ほぼ制限なし 専門的なサーバーも使える |
専門知識が必要 |
Linuxサーバーの専門知識があまりなく、ローカルWordPressサーバーが欲しいだけなら、Androidアプリがベストでしょう。
逆にLinuxサーバーの知識があるのであれば、Linux環境がオススメです。仮想環境だからか、ディスク速度はあまり速くありませんが、LinuxのOSSがほとんどそのまま使えるのはかなり便利です。
Chromebookでローカルサーバーを立てる方法を見てきました。
Linux環境の登場で開発者にとって開発機の候補の一つになったChromebookですが、こうしてローカルサーバー機能を見てもLinux環境の存在は大きいですね。Chromebookを開発機にしたいと思っている方は、ぜひ試してみてください。