Chromebookにはバックアップという概念がない
オンラインストレージを使う前提のChromebookには、「バックアップをする」という概念がありません。「データは常にクラウドにクラウド(Google Drive)にバックアップする」ように出来ているので、USBメモリやHDDなどにバックアップする必要がないから(とGoogleは考えられている)です。
「常に同期 = 常に最新」というコンセプトなので、Windowsでいう復元ポイントや、macOSでいう「Time Machine」のような仕組みは、Chromebookにはありません。
Chromebookで唯一バックアップと復元機能が搭載されているのは、仮想環境である「Linuxベータ(crostini)」だけで、こちらはバックアップと復元が可能です。
Chromebookの中身をほぼすべてクラウドにバックアップする方法
まずはChromebookのデータのうち、Google Driveにバックアップされるもの、されないものを確認してみましょう。
項目 | 設定場所 | バックアップ先 |
---|---|---|
アプリ | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
ブックマーク | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
拡張機能 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
履歴 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
設定 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
テーマと壁紙 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
開いているタブ | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
パスワード | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
住所、電話番号など | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
Google Pay のお支払い方法と住所 | Chromeブラウザ | Googleアカウント |
Google スプレッドシートなどのデータ | - | Google Drive |
Chromebookの設定データ | Chrome OS | Googleアカウント |
Androidアプリ | - | - |
ダウンロードフォルダの中身 | Chromeブラウザ | - |
Linuxベータの復元データ | Chrome OS | - |
Chromeアプリも含めてほぼすべてがGoogleアカウントに自動的にバックアップされ、Google スプレッドシートなどのデータなどは直接Google Driveに保存されています。
しかし、上の表でわかるとおり、すべてのデータをGoogle Driveにバックアップしているわけではなく、例えば、ブラウザでダウンロードしたファイル(ダンロードフォルダの中身)や、Linuxのデータなどは自動でクラウドにバックアップする仕組みがありません。
逆に言えば、それらのデータをしっかりとバックアップできれば、Chromebookをリフレッシュ(初期化)した際や、機種を変更した際にすぐにバックアップから環境を再現することができるということでもあります。
自動バックアップ非対応データをGoogle Driveにバックアップする方法
先程の一覧の中で、バックアップ非対応のデータは、
- Androidアプリ
- ダウンロードフォルダの中身
- Linuxベータの復元データ
の3つでした。
このうちAndroidアプリのバックアップは仕組みが提供されていないので、それ以外の2つのバックアップを設定していきます。
Chrome OSのダウンロード先をGoogle Driveに変更する方法
ダウンロードフォルダの中身は、Chrome OSの設定ではなく、Chromeブラウザの設定から行います。
ブラウザで「chrome://settings/」を開くとChromeブラウザの設定がでてくるので、「設定項目を検索」で「ダウンロード」と検索すると、「保存先」という項目が出てきます。
ここで「変更」ボタンをクリックすると、Chrome OSのファイルダイアログが開くので、Googleドライブの任意の場所を選択し「開く」をクリックします。
これで、ダウンロードファイルはすべてGoogle Driveに自動的に同期されます。
Linuxベータの復元データをGoogle Driveにバックアップする
こちらは、Linuxベータの設定画面からバックアップをする際に、Google Driveを選択すれば直接Google Driveにバックアップファイルを保存可能です。
とはいえ、内部的にはローカルのGoogle Driveフォルダにバックアップファイルを作ってアップロードしているだけなので、
- 任意の場所にLinuxのバックアップ
- バックアップファイルをGoogle Driveにアップロード
という手順でもやってることは同じです
ちなみに、Google DriveにLinux環境のバックアップデータをアップロードする際は、ファイル名を同じにしておくと便利です。
というのも、Goolge Driveはデフォルトでバージョニング機能があるので、同じ名前で保存しておけば、先祖バージョンをある程度(何世代前までかはGoogleが勝手に判定して)保持してくれます。
別々のデータにするとアップロードするたびにGoogle Driveの保存領域を圧迫してしまいますが、同じファイル名であれば先祖バージョンを保持していたとしても、Google Driveの使用容量は現在のファイル容量分だけです。
ここまでバックアップできていれば、ほぼほぼChromebookの中身をクラウドに自動バックアップすることが出来たと言えるでしょう。
Google アカウント系にバックアップしたデータは、Chromebookにログインした瞬間に復元されますし、Google Driveのデータも最初から統合されているので、必要な時に「オフラインで利用」設定をすれば、ローカルに保存することができます。
WindowsやmacOSでの従来のバックアップ方式になれているとなんだか不安になりますが、一度初期化や新しい端末の移行をすると、いきなり同じ環境が復元されてびっくりするものです。
「常時クラウド同期」はChromebookの特徴でもあり強みでもあるので、ぜひ細かいところまで設定をして、Chromebook環境を快適にしてみてください。