Chrome OSとCloud Readyの違い
Chrome OSとCloud Readyの違いは下記のようになります。
- | Chrome OS | Cloud Ready |
---|---|---|
ベース | Chromium OS | Chromium OS |
開発元 | Neverware | |
価格 | 無料 | 無料(HOMEエディションのみ) |
対応機種 | Googleが認証した端末 | メモリ2GB、ストレージ16GB以上の全てのPC |
OSアップデート期間 | 端末の発売から5〜8年 | 開発元が対応する限り |
crostini Linux | ◎ (対応端末のみ) |
◎ (基本的に全端末) |
Google Playストア | ◎ (対応端末のみ) |
x |
機能や見た目は違うのか?
Chrome OSとCloud Readyのそれぞれのデスクトップ動画を見てみましょう。
ほとんど違いがわかりませんね。ちなみに、上の動画がCloud Readyで下の動画がChrome OSです。
このように、Chrome OSもCloud Readyも基本的には同一のものです。見た目も機能もほとんど一緒ですが、異なる点もあります。
- 開発元がGoogleか
- Google Playストアに対応しているか
という点です。ここが両者の唯一の違いであり、大きな違いになってきます。
OSアップデートなどのサポートは?
Chromebookの場合、GoogleがOSサポートをしてくれる期間が長いというメリットもあります。
最近のChromebookであれば、発売から5〜6年、発売されたASUS Chromebook Flip C436のように長いものでは8年ほど(2020年4月発売でサポート終了が2028年6月)サポートをアップデートが保証されます。
ちなみに、Chromebookの自動更新ポリシーは更新されることもあり、Google純正のChromebookがサポートが長いというわけでもなく、先程の例のようにASUSなどサードパーティのChromebookのほうが自動更新保証期間が長いこともあります。
一方で、Cloud ReadyをはじめとするChromium OSは、「開発元が対応する限りアップデートされる」ので、Chromebookよりもサポート期間が長くなる可能性がありますが、逆に開発元企業が続かなければそのまま終了となるリスクがあります。
Chrome OS端末を選ぶメリット・デメリット
Googleが開発しているChrome OS(を搭載したChromebook)を選ぶメリット・デメリットを見ていきましょう。
メリット | デメリット |
---|---|
Googleの公式アップデートが適用できる Goolge Playストアが使える GoogleのOSサポート期間が長い |
選べる端末のラインアップが狭い ハイスペックなモデルが少ない |
基本的にはGoogleのサポート、Playストアが使えるというのが大きなポイントです。
OSのアップデートスパンなどは、Chrome OSもCloudReadyも基本的にはChromium OSをベースにしているので、そこまで大きな違いはありません。
Chromebookはハイスペックモデルが少ない
また、地味に大きな違いとして、PCを自由に選べるCloudReadyに対して、Chrome OSはGoogleが認定したモデルしかありませんので、ラインアップが狭くなります。
特に、Chromebookを開発マシンや動画編集マシンとして使う場合は、高性能CPUや16GB以上のメモリを搭載したモデルが欲しくなりますが、そうしたハイスペックなモデルはChromebookには少ないのが現状です。
- 価格
- ¥114,800〜
- 定価
- ¥114,800〜
ここがポイント!
2021年現在、もっとも処理性能があるChromebook。ノートPC向けのIntel Core i7 CPUを搭載し、「Chromebook = 処理性能が低い」という概念を覆しました。
- Chromebook史上最高スペックを誇る端末
- 最上位機種はIntel Core i7-10510Uを搭載
メーカー | ASUS |
---|---|
OS | Chrome OS |
CPU | Intel Core i3 10110U / Intel Core i5 10210U / Intel Core i7 10510U |
メモリ | 8GB / 16GB |
ストレージ | SSD 128GB / 256GB / 512GB |
ディスプレイ | 14.0インチ/フルHD/TFT/タッチディスプレイ |
価格とスペックのバランスは非常に良いChromebookですが、主なターゲット層がライトユーザーや教育ユーザーということもあって、WindowsやMacにはあるハイスペックモデルが少ないのは弱点です。
Cloud Ready選ぶメリット・デメリット
Windows端末にCloud Readyを入れてChromebook化するメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット | デメリット |
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端末の選べる幅が増える 低スペック端末でもある程度軽快に動く Windowsとは違う見た目のOSを楽しめる Windowsのサポート切れ端末でも最新のセキュリティで使える |
(本来使えるはずの)Windowsアプリが使えなくなる Google Playストアが使えない すべての機能がきちんと使えるとは限らない OSのサポートがいつまで続くかわからない |
端末の選択肢が増える&Chromebookにはないハイスペックマシンも
CloudReadyのメリットは、やはり端末の選べる幅が増えることです。
中古のそこそこのスペックのWindows PCにCloud ReadyをインストールしたほうがChromebookを新品で購入するよりもコスパが高くなることもありますし、ChromebookにはないようなハイスペックなオレオレChromebookを作ることも可能です。
また、Windowsタブレットなどを利用して、Pixel SlateのようなChromium OSタブレットにすることもできます。
最近のモバイル界隈で流行りのUMPCも、軽量なChromium OSでChromebook化するユーザーもいます。
CloudReadyではGoogle Playストアが利用不可。今後のサポート予定なし
Google Playストアが利用できるのは、Googleの認証を受けた正規のChromebookのみとなるため、認証を受けていないCloudReadyをインストールしたPCでは、Google Playストアが利用できません。
Cloud Readyを開発するNeverwareは、Google PlayストアとAndroidアプリについては、法的な問題から今後もサポートする予定がないとしています。
Does CloudReady Support The Google Play Store & Android Apps?
Googleによる買収でCloudReadyでもAndroidアプリが使えるように?
ただし、2020年にGoogleがCloudReadyの開発元であるNeverwareを買収したことから、この辺りの環境は今後変わっていく可能性があります。
グーグル、「Chromium」ベースのOS「CloudReady」のNeverware買収
Googleは、CloudReadyを既存のChrome OSファミリーに加える予定という報道もあるので、今後の動向に注目です。
Windowsとのデュアルブートはサポート外なので要注意
Cloud ReadyはかつてはWindowsとのデュアルブートをサポートしていたようですが、2018年6月にサポート外となっているため、Windowsとのデュアルブートを目的にCloud Readyを使うのはやめたほうが良いでしょう。
「WindowsマシンをCloud ReadyのライブUSBで起動してそのまま使う」分には、疑似デュアルブート的になりますが、USBメモリの速度が遅かったり常用するのは厳しいかもしれません。
Chrome OSとCloud Ready(Chromuim OS)の違い、それぞれを選ぶメリット・デメリットを見てきました。
基本的な機能は一緒なので、どちらも選ぶメリットがあります。ご自身の利用方法や利用用途を鑑みて、より最適なほうを選ぶと良いでしょう。